1973年に米国で誕生したアウトドアブランド「パタゴニア」。創業者のイヴォン・シュイナードはもともと世界的なロッククライマーでもある。地球環境に最小限の負荷で、最高品質のアウトドアウェアを提供することをミッションに、近年は食品ライン「プロビジョンズ」もスタート。東京・丸の内ストアは特にランニングのアイテムが充実しているほか、ハイク、クライミング、サーフィン、さらにキッズ・ベビーの商品も揃う。

意外にも“自然遊び好き”が多いまち

「丸の内界隈は、オフィス街であるということは事実で、そこで働いている方はアクティビティをしている人が多いという印象です。みなさん製品にも詳しくて、基本的なことよりも使用感や、季節・目的地に合わせたニッチな質問をよくいただきます。きっと仕事にも遊びにも、本気で取り組まれている方が多いんですね。丸の内ストアはランニングに力を入れているストアなので、トレランやランニングのアイテムが特に充実。もちろんトレラン好きのスタッフもいるので、おすすめの山やトレーニングのことも相談にのることができます。ストア主催のグループランイベントも再開したので、丸の内のランニングコミュニティが広がっていって欲しいですね。個人的にはストアから見える仲通りの景色がすごく好きで、特に新緑の季節は丸の内アーバンテラスでランチを食べている人を見ながら『平和だなぁ』って思っています」

“地域のギフト”になれるように

「『パタゴニア直営店』には“地域のギフトになる”という言葉があるんです。ただモノを買う場所ではなくて、自然遊びのたのしさを知ったり、コミュニティができたり、地球環境のことを考えるようになったり、それぞれのストアが地域に新しい“何か”をもたらす存在であること。そのために普段の接客やイベントなど、お客様とコミュニケーションをとることを大切にしています。『パタゴニア』の製品には、オーガニックコットンやリサイクル素材など一つ一つにバックボーンがあり、ショッピングバッグの提供をやめたことや、製品を修理することに力を入れていることにも意味があります。そういった話を丸の内のみなさんにも、もっともっと伝えていきたいなと思っています」

東南アジアの旅で目の当たりにした環境問題

「大学卒業後に東南アジアを旅していた時、現地の人が暮らす環境の悪さに心が傷んで、地球環境のことを意識するようになりました。『パタゴニア』はもともと好きなブランドでしたが、環境に配慮した製品作りをしていることや、創業者が書いた『社員をサーフィンに行かせよう』という本を読んで、改めてすごく面白い会社だなと思いました。僕が個人的に感じていることは、アルバイトも社員も全員が会社のことを心から尊敬しているなということ。全株式を環境保護団体などに寄付したニュースもありましたが、トップがそうやって率先して行動しているので、僕たちも行動するし、彼のメッセージをお客様にも伝えなければと奮い立たされます。だんだんと世の中の環境への意識が高まっていると感じますが、もっとできることがあるのではと思います」

自分の子供と、その次の世代にも自然という遊び場を残したい

「やっぱり環境に対する取り組みをもっともっと広めていきたいです。丸の内にはいろいろなアウトドアブランドが集まっているので、横の繋がりを強めて一緒により良い未来のために共に取り組んでいけたら良いですね。ビジネスの中心街である丸の内で、環境に対する発信ができることは大きな意味があると思います。またプライベートでは、昨年生まれた息子と大好きなスノーボードができる日をたのしみにしています。小さいころから自然の中で遊ぶことで、きっと環境に対する意識が芽生えると思うんです。地球環境を守ることは、僕らの遊び場を守ることでもあります。息子やその次の世代にもアクティビティをたのしめる地球であるように、今できることをやっていきたいと思います」